過去3シーズン、最強マシンとしてGT500のトップに君臨してきたニッサンGT-Rだが、最終戦でその座をレクサスRC Fに奪われてしまった。勢力図の大幅な変更は、どうして起きてしまったのか。
ミシュランGT500初のタイヤ無交換の裏事情(AUTO SPORT Web)
この中で、最後の文章
チャンピオンを獲得したDENSO KOBELCO SARD RC Fはこの最終ラウンドのもてぎの2戦で合計、37ポイントを獲得した。結果的に、今シーズンのスーパーGT500クラスのタイトル争いは、1ラウンド2レースのギャンブル性の高さが如実に表れた形となった。
Live中継中も指摘がありましたが、土曜日(第3戦)の結果と日曜日(第7戦)の結果がほぼリンクしています。
つまり、土曜日ダメなら、日曜日もダメだったということ。
ズバリ、1号車のことです。
これが上記で指摘されている、1ラウンド2レースのギャンブル性ということです。
ここで、タラレバを勝手に妄想してみたいと思います。
私は1号車のファンではありませんが、結果はともかく、今季一番強かったのは1号車だと思います。
そして、最終1ラウンド2レースのあおりを一番食ったのがこれまた1号車だと思います。
もし、第3戦が地震の影響を受けることなく、本来のスケジュール通り開催されていたらどうなっていたでしょうか?
現行GT500のマシンになってからの初年度の2014・オートポリス戦は、第3戦として5月に開催され、勝ったのが現・1号車。
続く2015・オートポリス戦は、カレンダー変更のあおりを受けて、10月末第7戦として開催されました。
第7戦ですので、ウエイトハンデは半分になりましたが、ここでも勝ったのは現・1号車でした。
つまりは、現行GT-Rになっての去年までの2年間は、オートポリスに関しては2戦2勝。
抜群の相性を誇っていました。
今年は、地震の影響で代替大会が開催され、その抜群の相性のオートポリス開催がなくなりました。
加えて、今年はハンデが、昨年までの「ウエイト50kgまで+燃料リストレクター(エンジンへの燃料カット)」から、「100kgまでのウエイトハンデのみ」となりました。
去年までのトヨタ・RCF勢は、燃料リストレクター(以下燃リス)によるエンジン出力ダウンの影響がニッサンGT-Rよりも大きく、ハンデが大きくなるとかなり苦労してました。
それが今年は、ウエイトハンデが重くなった分、エンジンパワーを上げれば対応できるようになりました。
現に、トヨタ、ニッサンとももてぎに「もてぎスペシャル」ともいうべきエンジンを投入してきましたが、トヨタの方がニッサンのパワーを上回っていたようです。
おまけに、1号車のエンジンには土曜日の時点で、エンジンプログラミングに問題が発生しました。
もし昨年同様、「オートポリス開催」と「燃リス」があったら、1号車は3連覇達成、よしんば3連覇を逃したとしても、今回の土日のようにレクサス勢に全く歯が立たずということはなかったと妄想します。
AUTO SPORT 12/2号の記事中の
振り返ってみれば、第2戦を終えた段階で早々に80kgというウエイトを背負うことになった 1号車 は、重さゆえに「自分たちの流れ」がつくれなかったことに加え、シーズン中に着実な進化を遂げたライバルとの「本当の力量差」が見えにくくなっていたのかもしれない。
また、トラブルやクラッシュなど、 GT R 勢全体に取りこぼしも多いシーズンだった。「若干クルマでまさっている状況の中、どこか甘えがあったのかもしれません。また出直します。」(鈴木監督)
そう語ってトランポの裏に消えていった後ろ姿は、すでに17年に向かっていた。
今思えば、3連覇にむけて絶好のスタートを切ったと思われた開幕2連勝中に、既にほころびは始まっていたということでしょう。
やはり、GT-Rは憎らしいくらいに強くなければGTレースも盛り上がりません。
来年のモチュールの逆襲に期待します。