「かるかん」製造ピンチ…原料の自然薯不作で
鹿児島県の銘菓「かるかん」が、原料となる自然薯の不作で生産数が減少している。
自然薯 あおりを受け、23年ぶりの値上げに踏み切ったり、販売を一時見合わせたりする店が出ている。需要が伸びるお歳暮シーズンでもあり、関係者は気をもんでいる。
かるかんは、自然薯と米粉、砂糖を混ぜ、ふっくらと蒸し上げた鹿児島特産の和菓子。1699年(元禄12年)、薩摩藩主・島津綱貴が50歳になった祝いの席に献上されたとの記録が残っている。「軽いようかん」をもじって、「かるかん」と名付けられたという説もある。
県内の製造業者は、主に鹿児島、宮崎両県から自然薯を仕入れている。今季の原料は、昨秋から今春にかけて収穫されたものだが、根が肥え太る昨年夏頃に長雨が続いたことから日照不足となり、収量は例年の半分から3分の1程度に落ち込んだ。関係者は「台風の影響を受けた2005年以来の不作だ」と話す。(読売新聞)

農林水産省のHPによると、
「かるかん」とは、薩摩(さつま)藩の島津斉彬(なりあきら)公が江戸(えど)から連れ帰った菓子職人(かししょくにん)、八島(やしま)六兵衛により作られたといわれています。蒸(む)しあがると軽くなるので、「かるかん」とよばれています。かるかんの材料である自然薯(じねんじょ)という山イモは秋にとれます。掘るには、「きんつっ」という専用の長い道具を使います。
おやつにはエネルギーや糖分がたくさんふくまれているものが多いのですが、「かるかん」は自然薯と米の粉(かるかん粉)にさとう、卵白を加えただけのシンプルなお菓子で、しっとりとやわらかく仕上がります。さとうは貴重な食べ物だったので、「かるかん」が広く食べられるようになったのは、明治時代になってからのことです。
鹿児島では、天然の山芋=自然薯と栽培されたもの=山芋との区別があり、以前から自然薯(じねんじょ)が天然モノであるため、後継不足や栽培ものへの転換等問題となっていました。
ここにきて、去年の悪天候が追い打ちをかけた感じです。
鹿児島ではおやつというより、お通夜やお葬式の際の頂き物として欠かせないものです。
しばらく事の推移を見守りたいと思います。
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