木はどこまで大きくなれる?

a1150_000853

 

現在公開中の「シン・ゴジラ」でのゴジラの身長は、日本版最終作品「ゴジラFINAL WARS」の100mから更に巨大化して118.5mと設定されています。また現存する地球上の「生物」で最も背の高いのはキリンで3m程度です。

 

では、「植物」はどこまで大きくなれるのでしょうか?

日本最古の歴史書である「古事記」には、かって大阪の南側には大きな大きなクスノキがあり、その影は海の向こうの淡路島を覆い隠すほどだったとの記述がありますが、現在ではどうでしょう?

現在の世界一の巨木は、アメリカ合衆国カリフォルニア州レッドウッド国立公園内にそびえ立つHyperion(ハイぺリオン)と呼ばれるセコイアメスギで、高さ115.61m・直径4.84mで樹齢600~800年とされています。ちなみにこの高さは25階建てのビルとほぼ同じです。

ただ過去にはもっと高い木があったようで、記録ではオーストラリア・ビクトリア州ワッツリバーにあったストリンギーガムの木で、高さ132.58mあったそうです。これは池袋のサンシャインシティプリンスホテル:130メートルとほぼ同じ高さですね。

身近にはそれほどの巨木ではないにしろ、見上げるばかりの大木がそびえ立ってます。いったい木はどれくらいの高さまで大きくなれるのでしょうか。植物の宿命として地面の下の根から水分をてっぺんまで吸い上げなければなりません。木の高さはこの運び方に左右されるのです。

まず考えられる方法としては、我々人間や動物と同じように心臓というポンプを利用して運ぶ方法です。しかしこの方法では人間の2倍近い血圧で血液を圧送するキリンですら高さは3mほどです。これではとても無理ですね。

続いて考えられるのは、大気の圧力によって水を押し上げるという方法です。管の中の中の空気を抜いて真空にすれば、外気の圧力によって管の中の水を押し上げることができます。

それではもし、とてつもなく長いストローがあったとしたら、どれぐらいの高さまで水を持ち上げることができるでしょうか。残念ながらこの方法では10mまでが限界とされています。

しかし世の中には10mを超える巨木はたくさんあります。日木の植物で高くなるものはモミ・マツ・スギで30メートルもあります。こんなに高いところまで水を運ぶのも、葉の蒸散作用によります。

土から水を吸いこむのは根のはたらきによります。吸いこんだ水を頂きまで上げるのは根の押し上げる力も少しは役立ちますが、ほとんどは葉の蒸散作用によります。

つまり、気孔から水が水蒸気になって出ていくと葉から茎を通って根まで続いている水は引き続いて蒸発していくのです。充分生長したトウモロコシで調べてみると晴天の日には1本で1日に約5リットルもの水を、蒸散させています。

気孔は、ふつうの植物では葉の裏側にあります。葉の表皮はほとんど水を通しませんが、気孔が開いていると、ここから水分は水蒸気となって、空気中に出ていきます。しかし、葉は、特別に水蒸気を吐き出すわけではありません。濡れた洗濯物の水分が、水蒸気となって失われるように空気の乾き具合(湿度)と風によって、水分が運びさられるのです。

開いた気孔の面積は、全部よせ集めても葉の裏側の面積の5、6パーセントしかありません。これでは葉からの蒸散は極めてわずかなものにしかならないようですが、小さな穴が点々と散ばっているために実際には、かなりの水分を蒸発させることができます。また、この気孔を閉じさえすれば葉からの水分は、ほとんど失われないですみます。水の蒸散をさかんにするだけでしたら水を通さない葉の表皮などがないほうが都合がよいのですが、そうなれば、植物は常に、干からびる危険にさらされます。つまり植物は、干からびるめにあわないで、しかも水分を捨てる方法として気孔のようなしくみをもつように進化してきたのです。

また、蒸散作用は、私たちが暑いときに汗を出して、体温の昇りすぎをふせいでいるように、植物の体の熱を調節しています。

先程も述べたように、植物の体内では根から気孔までの水の流れはずっとつながっていて、1本の水柱になっています。そのため、蒸散によって水分が失われるとその分だけ新たに水が引き上げられます。例えるならストローを吸って水が吸い上げられるのと同じです。

この蒸散の力で引き上げられる水の高さは、130~140mと計算されています。つまり、この140mが理論上の限界です。ということは、世界のどこかには、前述のオーストラリアのストリンギーガムの木より大きな木が存在していた、若しくは存在している可能性もあるわけです。夢が広がりますね!

 

 

112d518bb8f39a6ed1d31ee462ac4fe6_s

スポンサーリンク


ラグビーの桜ジャージからお花見問題を考える?

リオ五輪七人制ラグビーで、ニュージーランド&フランス代表を撃破して4位入賞と大健闘した日本代表のユニフォームは「桜ジャージ」と呼ばれています。

logo

 

しかしこのエンブレムよく見ると、日ごろ私たちが見慣れた桜とは少々違うところがありますね。

花見頃の満開の桜を見ると、花が咲くのは葉が出る前です。そして花が咲き終わってから葉が出てきます。

a0011_000111

 

ところが、エンブレムを見ると花が咲いてる枝に葉がついてますね。木の葉が出てから花が咲くのは、古くから日本に自生する「ヤマザクラ」の特徴です。花札の桜としても有名ですし、田舎ではちょっと郊外に行くとまだまだたくさん見られます。

a0960_004313

 

それに対して、私たちが毎年花見で目にする桜は「ソメイヨシノ」です。この桜は江戸時代の中期の1750年頃に江戸で、「エドヒガン系」×「オオシマザクラ」の組み合わせで作り出されたものです。

この「ソメイヨシノ」は、葉より先に花が咲き開花が華やかであることや若木から花を咲かす特性が好まれ、明治以来徐々に広まりました。さらに、第二次世界大戦後、若木から花を咲かせる事から爆発的な勢いで植樹され、日本ででもっとも一般的な桜となりました。

しかし、どうして短期間でここまで増やすことができたのでしょうか?結論から言うと「ソメイヨシノ」はほとんど全て枝を取っての「接ぎ木」や「挿し木」で増やします。こうすれば種子から増やすよりもはるかに早く苗木を増やすことができます。しかもこの方法だと親の桜の分身ですので、親と全く同じ特徴を持ちます。すなわち親の「クローン」となります。人間のクローンというのはSF映画の中だけですが、植物はこのように簡単にクローンを作ることができます。

植物の増え方には、種子で増える「種子繁殖」と、枝や茎などのクローンでふえる「栄養繁殖」の2通りの方法があります。栽培植物の場合は、「栄養繁殖」をすれば元の個体と同じ性質のものを簡単に増やすことができるので好都合です。そのため「栄養繁殖」が可能な作物は出来るだけ「栄養繁殖」で増やします。

元々日本の野山に自生するヤマザクラは、木によって花の咲く時期がまちまちなので長い期間花を楽しむことができます。その半面、皆が一斉に同じ時期・同じ場所で行う「花見」には向きません。ところがソメイヨシノは殆どの木が元の木から増やしたクローンなので、ほぼ同じ時期・同じ場所で咲きます。一斉に咲き一斉に散っていきます。この様な性質から「花見」にはうってつけですし、同時に桜の開花予想の標準木としても利用されていますね。

しかしこのクローンの性質故、問題も指摘されています。

ソメイヨシノは他のサクラよりてんぐ巣病に弱いとされており、クローンであるため全ての株が同一に近い特性を持ち、病気や環境の変化に負ける場合には、多くの株が同じような影響を受け、植樹された時期が同時期ならば、同時期に樹勢の衰えを迎えると考えられています。21世紀に入り樹勢の衰えが目立つようになったため、戦後に大量に植えられた本種の寿命が到来しつつあると危惧されており、ソメイヨシノ60年寿命説が唱えられることもあるそうです。

その対策として公益財団法人・日本花の会は、桜の名所作りに適した品種として樹勢が強健で鑑賞性が高い複数の品種を推奨して配布している。従来はソメイヨシノもその人気から配布対象品種であったが、上記のようにてんぐ巣病に弱いため、2005年度から苗木の配布を、2009年度からは販売も中止し、代替品種として、てんぐ巣病に強く花や開花時期がソメイヨシノと類似する「ジンダイアケボノ」の苗木の配布を開始し植え替えを推奨しています。このため、ソメイヨシノに替わって日本全国でジンダイアケボノの植樹が行われるようになっています。

sk-kok09

 

 

もしかしたら遠くない将来花見はソメイヨシノではなく、ジンダイアケボノで行われるようになっているかもしれませんね。

 

 

スポンサーリンク